源兵川生き物観察ガイド
グラウンドワーク三島
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源兵衛川の歴史
     
 「水の都・三島」の清流のシンボルである源兵衛川は、市立公園・楽寿園小浜池の湧水を水源として、市街地を通り中郷温水池まで流れる全長1.5kmの農業用水路です。古くから灌漑用水路として使われ、美しい水辺空間が保たれていました。

昭和35(1960)年頃までは、川辺の家では、カワバタ(川端)と呼ばれる小さな桟橋のようなものが川に突き出ていて、家の人はそこで茶碗を洗ったりしていました。また、上記の写真のように、川辺のところどころに木製やコンクリート製の共同の洗い場がありました。川と生活が密接につながっていました。

しかし、昭和30(1960)年代中頃から、上流域での地下水の汲み上げなどより、豊富だった水量は減少し、また、家庭雑排水の流入やゴミの放置などにより、水辺環境も悪化して汚れた川になってしまいました。

そこで、ふるさとの「原風景・原体験」を取り戻そうとする熱き市民たちの呼びかけにより活動が発展し、平成2年(1990)、農林水産省の「農業水利施設高度利用事業」に採択されました。その後、グラウンドワーク三島、地域住民、NPO、専門家、農業用水路の管理団体である中郷用水土地改良区、行政、企業とのパートナーシップによる身近な環境改善活動により、エコロジーアップ(生態系復元)を基本コンセプトとする、8つのゾーンからなる親水施設が整備されました。

さらに、多くの市民による地道な保全活動が続けられたことにより、ホトケドジョウ(静岡県レッドデータブック絶滅危惧ⅠA類)などの魚類9種、サワガニやゲンジボタル、オニヤンマなどの水辺の動物30種、ミシマバイカモやヤナギモなどの植物239種・18植物群落、三島市の鳥・カワセミなどの野鳥32種の生息が確認されており、市街地を流れる河川としては、他の都市に見られないほど豊かな水辺自然空間が再生・復活しました。現在までに、土木学会デザイン賞や農林水産省「疎水百選」、環境省「平成の名水百選」にも選定されています。

今後、NPO法人グラウンドワーク三島では、「源兵衛川の生物多様性の保全」を目標として、多様な関係者との協働体制の構築により、清流のシンボルであるホトケドジョウをはじめとした魚類・水生生物などの生息環境のエコアップ(環境再生)活動に取り組んでいきます。
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